20170708
男性的な性規範が怖いから自己認識が中性であるわけではない。成れなかったものには成れないから、二極のどちらにもなれなかったのだ。
万人に伝わりそうな例を考えると、「猫は猫であるからいくら自分を犬と思っても犬には成れない」とか。どうですかね。
猫であるという事実は他者から規定される。いくら犬の振る舞いを身につけていてもお前は猫だと他者から規定される。体格から、鳴き声から、体臭から。
こんな第三者からの決め付けぐらい吹き飛ばせばいいと思うだろ。吹き飛ばしたい。
ただこれが如何せん面倒で、二十余年の生活(特に制服が必須で第二次性徴が起きる思春期)で獲得してしまった事実だから難しい。過去の自分を振り払うのが難しい。何度かリセットをかけてると思っていたが足りなかったらしい。
完全に犬の振る舞いを自分のものとした猫は、己が猫であったと気付いても猫のコロニーに戻ることは難しい。己は犬であるという誇りがあったはずで、猫の仲間ではないと思っていたからだ。猫はそのうち、「己は犬だと思っていたが、犬ではないと規定されたために、犬でも猫でもない何者か」になってしまう。
こういうアイデンティティの揺らぎが思春期頃の経験。
「猫は魚が好きなはずです。違えば猫じゃありません」と教育されるのが同性愛者のアイデンティティが揺らぐ方向性でしょうか。違ったらすみません。
そういやセクシャルマイノリティの皆さんは他の精神疾患を罹患する率が高いそうですよね。いやぁ、分かる分かる。マジョリティはたぶんこういう揺らぎは起こしてないんだもんな。すげえよなあ。逆に精神疾患人口からセクシャルマイノリティ人口を測ったら何%が来るんだろう。こういう統計きっとあるよね。落ち着いたら探してみよう。
僕は僕ならではの体格をフル活用してしまい死にたみを増幅させてしまいました。
大体の場合(限りなく100%に近い場合)は笑い話とかネタで言ってるので笑って欲しいんですけど、下手に共感されるとお前に何が分かるんだと暴れてしまいたくなります。暴れる才能なくて泣くだけなんですがね。こういう時、親友を殺された洋画の主人公とかみたいに怒りと悲しみで狂えたらいいのにねって思うよ。だけど母さんだってこの体格に生みたくて生んだわけじゃないだろうからね、お門違いってヤツだよね。こういう時理性的だよね。えらいえらい。
僕はチビの癖にレディースもキッズもあまりデザインが好きじゃないからメンズしか着ない。メンズの棚に並んでる服にはすげーいいなーって思ってもSサイズは存在しなかったりするし、たとえ在っても丈も袖も長い。
足が驚くほど小さいのでメンズはない。なのに靴屋で見るメンズシューズは大体かっこいい。これを履けたらいいなと思う。そんでレディースは大体好みじゃない。キッズはキッズなりのエナメル加工とかがムカつく。
高いところにあるものは生活だけで鍛えられたバランス感覚で普通に脚立のいちばん上(本当は乗るなって書いてあるよ)に乗って取る。
いいなと思った鞄だって体格と相対的に見てしまえば大概でかい。
でかすぎるものは格好悪いといつか自ら思ってしまった。
なに、この縛りプレイ。ドMなの。気持ちいいとかほざく前に死んじまう。勘弁してほしい。早く抜けださなきゃ。ヤバイなと。
そんな日でした。
あの服もあの鞄も欲しかったな。悲しいな。おわり。