音ゲーの話
コンビニのレシートで酒が当たってうれしい。
「はい、ありがとうございました」だけでなく「おめでとうございます」と謎に賞賛されたからかもしれない。
微かな幸運を喜べるのはおれにとって健全な兆候だ。よかった。
今日は用事があって街まで出て、ゲームセンターまで足を伸ばしたので、jubeatという音ゲーをやった。4×4のマス状のパネルがあって、光ったパネルを押すやつ。最近はレベル9初見で通過できるようになってきた。通過できないと100円が無駄になるので、あまりやらないけど。
たぶん高校生ぐらいのときにやりだして、惰性でそのままやっているから多少慣れてる。
他の音ゲーはできない。どうしても画面と手元のボタンが繋がらない。すごく分かりやすく作られているはずなのにこのボタンは、ここ!となれない。一番易しいモードでも混乱して手一杯になってしまう。光ったボタンを押す単純さが楽でいい。
やりだしたころは当然ろくにできなかったので、レベル3ぐらいから始めてた。
大体jubeatは2台置いてあるから、隣にレベル10とかやってる玄人がいるとすごく申し訳なかった覚えがある。最初のころは兄貴が近くにいるときだけ、玄人たる兄貴と一緒にプレイしていた。
隣でやってる玄人が身内だと劣等感が湧かない。あーやっぱコイツすげーなーとむしろ尊敬する。
即座に自分はそうはなれないと諦めもする。
デキるきょうだいがいる人とか、親が絶大だった人ってこういう感情あるんかな。ちょっとありそうと思ったけど。
諦めてたからただ楽しんでたはずなのに、今はその音ゲーをほとんどやらない兄貴と今もやってるおれの点数はちゃんと競える域にいる。意外と、なれるもんなんだな。時間はすごくかかったが。
リアルに3年ぐらいかかったと思う。何にこんなにムキになってるのかと笑われるかもしれないけど。
強敵を作ることに向いてないのかもなと思った。兄貴と同じ土俵に立てるわけはないと思ってたから、おれは一段ずつ時間をかけて歩いた。
隣に玄人いると申し訳ないから人の少ないゲーセンを選んでた。人がやってるときにはあまり進んでやらなかった。
ただひたすらに自分とだけ歩いた。自己研鑽を重ねた。
そしたら人とペースは違えどほどほどにうまくなってきてる。
段階を踏む必要があるってことをもっと早くに気付けたらもう少しうまくやれたかもしれない。
うまくなるには少しずつの練習が必要。知識が必要。おれにゲームの才能はない。楽しければいい。
わざマシンなんて超越した一歩はないからな。生きてたら何か進んでるから大丈夫。
期待されたとき、自分が期待に応えられると思って無理を重ねてた。
そんな自分にまずその段をクリアしろよと伝えたい。無理してできることとできないことがある。
段々スコアAが出せたり、レベル10クリアもできるようになってる。
一番面白かったのはフルコンボなのに点数が足りなくて100円無駄にしたことだった。
うまくいったのにうまくいかなかったから別のとこで練習してまたやった。見事に反復練習もしてやった。これが人間か。なるほど。
うまくできねえ。またやったろ。